唐十郎 から・じゅうろう

劇作家・小説家・演出家・俳優
劇団唐組主宰

1940年東京生まれ。1958年明治大学文学部演劇学専攻入学。在学中、演劇学専攻の劇団「実験劇場」で本格的に演劇活動を開始。1962年明治大学卒業後、「青年芸術劇場」に研究生として入団。1年で退団し「実験劇場」の仲間と「シチュエーションの会」を旗揚げ、さらに1964年、それを「劇団状況劇場」と改め座長に就任。既成の枠を越え、実験精神と独自性に富む街頭での野外劇を試みるなど、小劇場運動の先陣を切った。

1967年新宿花園神社に初めて紅テントを建て、『腰巻お仙−義理人情いろはにほへと篇』を上演。以後、テント公演を中心に活動を続け、韓国、バングラデシュ、シリア、レバノンのパレスチナ難民キャンプ、ブラジル、台湾などの海外公演を行う。

1988年、「状況劇場」を解散し、「劇団唐組」を結成、現在に至る。他の劇団に書いたものを含めると、創作戯曲は100本を越える。紅テントでの興行は多くの芸術家やそれを志す人々の注目を集め、芥川賞をはじめとする作家としての評価を得てからも劇団を率い、ほぼ年2回のペースで公演を続け、2006年に明治大学特別功労賞を受賞。2012年4月に明治大学文学部客員教授に就任し講義を担当したが、同年5月に自宅で転倒事故にあい、以後療養生活に入る。

2024年5月4日、急性硬膜下血腫のため逝去。心よりご冥福をお祈り申し上げます。

主な受賞歴

  • 1969年
    『少女仮面』で、第15回岸田國士戯曲賞受賞。
  • 1978年
    『海星・河童』で、第6回泉鏡花文学賞受賞。
  • 1983年
    『佐川君からの手紙』で、第88回芥川賞受賞。
  • 2004年
    『泥人魚』で、作・演出・演技において、第38回紀伊國屋演劇賞個人賞、第7回鶴屋南北戯曲賞、第55回読売文学賞を受賞。
  • 2006年
    長年の業績に対して、読売演劇大賞芸術栄誉賞、明治大学特別功労賞を受賞した。
  • 2010年
    韓国の李炳注(イ・ボンジュ)国際文学賞を日本人として初めて受賞。
  • 2013年
    独創的な舞台づくりに対し、2012年度朝日賞受賞。
  • 2021年
    文化功労者に選出された。

主な教歴

  • 1998年~2005年
    横浜国立大学教授
  • 2005年~2010年
    近畿大学客員教授
  • 2012年4月
    明治大学客員教授に就任するも自宅で転倒事故にあい、療養生活に入る。